パーマ施術の注意点
パーマはいくつか細かいルールを知った上でかけたりカットしないと全く違うものになってしまいます。
ルールのもとに選択すればとても簡単施術なのですが
ルールを無視すると大失敗になってしまいます。
そのためこれから説明する決まり事、事実を知って頂きスムーズにお求めのパーマを提供できたら幸いです。
<1>パーマは毎朝スタイリングが必要
「パーマ=毛を曲げたまま固定する技術 」です。
補助的に髪に対して動きを加えるまたは目的のスタイルのためただ形状を変えるだけのためパーマをかけた後は全くスタイリングが必要なくなる。という事はありません。むしろ必ずスタイリングが必要になります。
<2>全く同じパーマでも違うものになる例これが基本でありルールでもあります。
以下のそれぞれが組み合わさりパーマの状態がどうなるかが決まります。
この「パーターン組み合わせ」 は慣れるまでは複雑であり
結果、パーマは選択することが難しいとされるデザインです。
そして
美容室での美容師のヘアデザイニングだけでなくお客様自身の自宅でのヘアデザイン=スタイリング が重要になります。
それでは、幾つか少しの間違いで大きな変化になってしまうパーマの例をあげていきます。
まず簡単な影響をする「物差し」を伝えた後に「例」を挙げます。
※以下の例では全てパーマのウェーブやカールの径や方向は同じとします。
(A)
全く同じパーマでも対象の髪の状態やカットとの施術のタイミングで全く違うものになってしまいます。
希望のパーマは参考写真その通りに作らなければそれになりません。
希望のパーマスタイルの写真があるとします。
そのパーマスタイルはその髪型の
長さ
軽さ
色
などが全て影響してその髪型になっています。
そのため髪の状態によって同じパーマでも全く違うものになってしまうのです。
<長さや位置、量などでの変化する例>
※以下の例では全てパーマのウェーブやカールの径や方向は同じとします。
・例えば同じパーマのまま髪型の長さが変わるとその径は
全体像を見たときに
長い髪では小さいウェーブやカールになります。
・同じ同じパーマのままで髪の重さいわゆる「すき具合」軽くしている量が違うと
重い場合は膨らみ
軽い場合は小さくなります。
・同じパーマのままでレイヤーの位置が変わると
レイヤーが高い位置だと上から膨らみ下は小さくしまり
レイヤーが低いと裾広がりになります。
・同じパーマのままで髪の色の明暗が変わると
明るくすると毛束が見えやすく
暗くすると毛束が見えにくくなくなります。
(B)
何らかのカット、カラーなどの技術をするその前後どちらでパーマをかけるかでパーマの状態が変わります。
※同時施術、同日施術の場合
※以下の例では全てパーマのウェーブやカールの径や方向は同じとします。
<パーマを先後どちらで行うかで変化する例>
・同じパーマのままでも
最初に長さをカットしてから後でパーマを巻くと毛束や面や毛先が安定し、
パーマを巻いた後に長さをカットすると毛先の方向が変わったり面や方向性が崩れます。
・同じパーマのままで
最初にすいてからパーマをかけると毛束や面が綺麗にくっついた状態になります。
パーマの後に空くと毛先はバラバラになり面が崩れます。
・同じパーマのままでも同時施術で
カラーをする前にパーマをかけるとカラー後にパーマが崩れバサつきと毛髪の針腰がなくなります。
カラー後にすぐパーマをすると比較的綺麗にパーマがかかりますが色落ちをします。
(C)
セット剤の種類で同じパーマでも状態が変わります。種類がたくさんあるのでいくつかの例をあげます。
※以下の例では全てパーマのウェーブやカールの径や方向は同じとします。
・クリーム:細かい毛束でバサつきになります。だらけます。
時間経過とともに→バサつき膨らみます。
・ジェル:艶のあるカチカチの毛束になります。リッジが出ます。
時間経過とともに→変化しません。
・ワックスは少しバサついた毛束になります。リッジが出ます。
時間経過とともに→比較的キープしますがバサつき膨らみます。
・トリートメントクリーム:バサついて毛先が分離した毛束になります。だらけます。
時間経過とともに→バサつき膨らみます。
・オイル:艶が出て毛束はバラけます。
時間経過とともに→バサつき膨らみます。
(D)
セット剤のつけるタイミングとドライヤーなどでの乾かし方で同じパーマも形状を変えます。
※以下の例では全てパーマのウェーブやカールの径や方向は同じとします。
A>セット剤をつけて形を整え自然乾燥する。
>>>綺麗な毛束感が出る。
B>半分乾かして水分を含んだ毛束からセット剤をつけて整え後は自然乾燥
>>>>やヤバさついた毛束感が出て根元に近い方のパーマが伸びた状態になる。
C>形をキープしながら弱風ドライヤーでドライ後セット剤をつけて形を整える。
>>>ドライ直後は比較的綺麗だがセット剤をつけた後に形は崩れバサついて毛束は大小になる。
D>ラフにドライヤーでしっかり乾かしてからセット剤をつけて整える。
>>>バサバサになりパーマも伸びてしまい、方向も細かく崩れる。
<3>パーマ禁止の状態を見抜く
毛髪履歴確認の重要性
ある施術後の髪。または、ある状態にし続けた後の髪ですとパーマがかかりません。
ジリつく、ひどくバサつく、縮毛矯正をかけないと元に戻らない、根本から切れて10円ハゲになる
などの危険状態になる毛髪状態の髪はパーマをかけないでください。
これは過去の施術履歴や普段行ってしまっていることの認識がとても重要になるので、過去の施術内容を忘れてしまっていたり、
知らずにある成分を使用していたりすると
「パーマ禁止状態」
になってしまいます。
美容師さんと一緒に確認作業をし、パーマをかけれない状態と判明したら勇気を出してかけることをストップすることが大切です。
例を幾つか挙げてみましょう>>>
※髪が長い場合禁止部分を切り落としてしまえばそこ以外は問題なくパーマをかけれます。
・オイルを濡れた状態で毎日塗布している髪:
オイルが残留しパーマがかかりにくくなります。
かけるとどうなるか→バサつきリッジが出なかったり細かいソバージュになる。
・クレー状の強いワックスを使用している髪:
キャンデリラろうが残留しパーマがかかりにくくなります。
かけるとどうなるか→バサつきリッジが出なかったり細かいソバージュになる。
・デジタルパーマやエアパーマのホット系パーマの履歴がある髪:
ホット系施術は施術内容が違うため内部タンパク質の構造が破壊され一般パーマをかけれません。
かけるとどうなるか→じりついてばさつくのみ。
・縮毛矯正をしている髪:
ホット系パーマと同じで施術内容が違うため内部タンパク質の構造が破壊され一般パーマをかけれません。
かけるとどうなるか→じりついてばさつくのみ。
・ハイブリーチをしている髪:
内部のタンパク質が破壊されておりパーマをかける成分が残っていません。
かけるとどうなるか→じりついてばさつくのみ。